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コンプライアンス
日本漢字能力検定協会が平成19年に発表した今年の漢字は「偽」でした。技術者にとっても偽装問題は他人事ではありません。なぜ偽装は起こるのか、技術士の視点で考えてみました。
○法令遵守への取り組みと課題点
昨今、消費期限書き換えなど食品偽装問題が取りざたされている。企業側のコンプライアンスの欠如の一言で片付ければ、その通りである。しかし、これ程多発する以上は制度的・構造的な問題があるのではないだろうか。
消費期限の問題は、1995年制定のPL法(製造者責任の原則)に端を発している事には異論は無いと思う。PL法は法制化前後、産業界にも激震が走った。これ以降、例えば食品業界では一部の商品を除き、消費期限を自主的に定めて、期限内に不具合が発生した場合は製造者の責任で補償することとなった。
この自主性が曲者であり、不具合の発生を恐れる余り大幅な安全率を見込んで消費期限を設定することとなる。しかし短い消費期限内には販売できる製品の率も限られる。また、そんな短い期間で食品が傷まないことは生産者本人がわかっている。そのため、比較的良心の呵責のないまま、処分する製品を減らそうと消費期限の書き換えが行われるのではないだろうか。
私は、これは最適化問題の概念を取り入れるべきだと考える。不具合の発生による補償の費用と処分等により発生する費用。消費期限を長く設定すれば前者は増加し、後者は減少する。この最適解である消費期限を計算する式は、そう難しいものではないはずである。事例にもよるが、幾つかの実験と市場調査で両者の予測曲線も作成できるはずである。
食品の消費期限の問題を例としてコンプライアンスを論じた。しかし、その他の多くの問題にあっても、このような簡単なシミュレーションを行っていれば、しなくてもよい偽装があったのではないかと思われてならない。だとすると、この問題は企業側の罪の意識などという倫理の問題ではなく、科学的考察力の不足の問題ではなかったのか。
カテゴリー:科学技術全般
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